クエン酸回路マスターへの3つのステップ!最短でクエン酸回路を描けるようになる方法【高校生物】
生物の細胞呼吸のなかでも、クエン酸回路を覚えるのに苦労している方は多いのではないでしょうか。そこで、おすすめの学習手順をご紹介します。
- クエン酸回路は3つのステップで学習完了!
- ゴールは白紙にクエン酸回路を自力で描けること!
- まず生成物名を覚えるのはどうして?
- なぜこの順番なの?
- 語呂合わせと理屈の合わせ技で、クエン酸回路を覚えていこう!
クエン酸回路は3つのステップで学習完了!
ややこしいクエン酸回路をせっかく勉強しているのですから、丸暗記してすぐに忘れてしまうのではなく、受験でも使えるレベルまで頭に入れていきたいですよね。
最短でクエン酸回路マスターになりたい方は、まずは全体像を把握し、その後に細かな部分を理解していく順番で行うのがおススメです。
具体的には、まず中間生成物を覚えてから、炭素数の変化を覚え、最後にNADHやFADH2、ATPが生じる場所を覚えていきます。
◆クエン酸回路の学習◆ <3つのステップ>
ステップ① 中間生成物の名前を覚える<ゴロ合わせで覚える>
ステップ② 炭素数の変化を覚える→CO2が放出される場所がわかる<理屈で覚える>
ステップ③ NADHやFADH2、ATPが生じる場所を覚える<ゴロあわせで覚える>
ゴールは白紙にクエン酸回路を自力で描けること!
クエン酸回路はこのような流れで行われています。
今回は、上記の図を何も参考にしないで描けるようになれることを目指しています。この内容を頭にいれておけば、大学入試でも使えるレベルの知識を手に入れたと思って大丈夫と思います。
クエン酸回路についての、ざっくりとした説明
私たちのからだを構成している細胞内では、生きるためのエネルギー(ATP)を得るために、呼吸を行っています。
細胞呼吸は3つの段階に分けられます。解糖系とクエン酸回路と電子伝達系です。
クエン酸回路は2段階目の反応で、ミトコンドリアのマトリクスで行われています。
クエン酸回路の目的は、NADH+H+やFADH2をとりだし、3段階目の反応の電子伝達系に送ることです。なので、エネルギー(ATP)はそんなに取り出しません。1グルコースあたり2ATPだけです。
クエン酸回路は、次々に物質を変化させながら、NADHやFADH2を作り出していく反応回路なのです。
まず生成物名を覚えるのはどうして?
最初に中間生成物名を覚えてしまった方が、効率よく正確に学習できると考えているからです。
例えば、料理をする時のことを頭に浮かべてみてください。ふだん料理をしない方は、家庭科の調理実習でも大丈夫です。
材料がピーマン、ひき肉、小麦粉、塩コショウ…の料理をつくるとします。ちなみにピーマンの肉詰めです。
Aさんは全ての材料がそろえてから調理を開始しました。
一方でBさんは、まずピーマンだけを用意して調理を開始しました。そして必要なものはその都度一つずつスーパーに買いに行っています。
さて、AさんとBさんは、どちらが早く料理を完成すると思いますか?
ほぼ間違いなくAさんの方だと思います。
クエン酸回路の理解も同じです。まずは中間生成物を全て覚え、それらの特徴や反応を学習するのが、最も効率よく学習できる順番と考えています。
更にAさんはBさんよりも材料の買い間違えも少ないと思われます。買う時は買うことに集中し、調理する時は調理に集中できるからです。もしかしたらBさんは、ひき肉でなくブロック肉を買ってしまうかもしれません。ピーマンにブロック肉が詰まっていたらもはや違う料理です。
クエン酸回路の理解も同じです。まずは中間生成物を全て覚えることを集中して行い、その次に発生する物質の理解に注力していくことで、抜けなく正確に回路の反応を学習できると考えています。
なぜこの順番なの?
じつは2番目と3番目は入れ替わっても問題ありません。お好みで覚える順番を交換しても構いません。最初に中間生成物名を全て覚えてしまうことが大切なのです。
ステップ②の炭素数の変化をラクに覚えるためには、ステップ①で中間生成物名を全て覚えることが重要です。
最初に中間生成物名を10個全てわかっていることこそが、炭素の数の変化を簡単に覚えるためのポイントです。
なぜならば、10個の中間生成物の後半の物質の炭素数が全て「4」だからです。なので、最初の方の物質の炭素数の変化だけを頭にいれておけば、残りは全て4であるとざっくりさせることができ、覚える内容を少なくすることができるのです。
物質の炭素数を最初に覚えようとしたら、10個の物質の炭素数を覚えなくてはいけませんが、まずはステップ①で中間生成物を全て把握していると、約半分の数だけ覚えればよいのです。非常に効率が良いですよね。
ステップ③のその他の生成物が生じる場所をラクに覚えるためにも、ステップ①で中間生成物名を全て覚えることが重要です。
ATPやNADH、FADH2といった生成物が生じる場所を覚える時も、ステップ①で中間生成物名を全て覚えることが重要です。
中間生成物の発生する順番が頭に入っていれば、ATPが発生する反応全てを覚える必要はありません。関連する中間生成物を一つ覚えればよいのです。非常に効率が良いですよね。
語呂合わせと理屈の合わせ技で、クエン酸回路を覚えていこう!
では実際に、ステップ①~③の方法でクエン酸回路を覚えていきましょう。それぞれで自分に合った覚え方をすればよいと思いますが、私はステップ①と③は語呂合わせで覚え、ステップ②は理屈で覚える方法をおススメしています。全てを語呂合わせにしなかった理由は、語呂合わせが多すぎても混乱してしまうのでので、理屈でいける部分は理屈で覚えられたらと思ったためです。
◆クエン酸回路マスターへのステップ
ステップ① 中間生成物の名前を覚える<ゴロ合わせで覚える>
ステップ② 炭素数の変化を覚える→CO2が放出される場所がわかる<理屈で覚える>
ステップ③ NADHやFADH2、ATPが生じる場所を覚える<ゴロ合わせで覚える>