日常を科学したい

理系ママが、日常生活のなかの理科雑学について、ちょっと詳しく書いています。

クエン酸回路の炭素数の変化は、簡単な足し算でバッチリ理解できる!

クエン酸回路の中間生成物の素数の変化や二酸化炭素が発生する場所は、理屈で覚えてしまうのはいかかでしょうか。

 

最短でクエン酸回路マスターになりたい方は、まず中間生成物を覚えてから、素数の変化を覚え、最後にNADHやFADH2、ATPが生じる場所を覚える順番がおすすめです。

 

  クエン酸回路の学習◆ <3つのステップ>

 ステップ① 中間生成物の名前を覚える<ゴロ合わせで覚える>

ステップ② 素数の変化を覚える→COが放出される場所がわかる<理屈で覚える>←今回

ステップ③ NADHやFADH2、ATPが生じる場所を覚える<ゴロあわせで覚える> 

 

今回は素数の変化と二酸化炭素が発生する場所を理解する方法を紹介します。

尚、この記事内のクエン酸回路では、水(H2O)の反応は省略しています。

 

 

  

中間生成物を覚えていると、結果的にとても楽できます。

最初に中間生成物名を10個全てわかっていることこそが、炭素の数の変化を簡単に覚えるためのポイントです。

なぜならば、中間生成物の半分もの物質の炭素数が「4」だからです。しかも炭素数「4」は、クエン酸回路の後半に集中しています。

 

最初の方の物質の炭素数の変化だけを頭にいれておけば、残りは全て4であるとざっくりさせることができ、覚える内容を少なくすることができるのです。物質の炭素数を最初に覚えようとしたら、10個の物質の炭素数を覚えなくてはいけませんが、まずは中間生成物を全て覚えてからにすると、約半分の数だけ覚えればよいのです。非常に効率が良いですよね。

 

★ 中間生成物の名前を覚えるおススメ方法はこちら

クエン酸回路の学習は、ピザ好き必見?!ドジっ子アサコにおまかせあれ!語呂合わせで覚える生物

 

数回つぶやこう。「3・2・6・6・5・あと4」

ステップ②の炭素数の変化を覚えるミッションをクリアするには、「3・2・6・6・5・あと4」というかんじで、ステップ①で覚えた順番に炭素数の変化を対応させて覚えます。5つの数字だけなので、数回つぶやけばなんとなく頭に入るのではないでしょうか。

 

「3・2・6・6・5・あと4!」

 

ステップ①で覚えた順番に、炭素数の変化を対応させます。このブログでおススメした語呂合わせ以外で覚えている方はそのまま対応させてしまうと、ずれてしまうのでご注意くださいね。

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 クエン酸回路の炭素関連は足し算で理解できる。

ポイントは質量保存の法則

中学校の時に習った、質量保存の法則を覚えている方はいますでしょうか。

反応前と反応後では物質の形は変化しても、物質量は変化しないよ。という法則です。

にんじんとタマネギとジャガイモを入れてカレーをつくったら、出来上がったカレーにも、形は変わっていてもニンジンとタマネギとジャガイモは入っているよ。いきなりナスやカボチャが入ったカレーにはならないよ。というイメージです。日常生活のなかでも感覚的に当たり前に受け入れられている内容と思います。

 

1つ減った反応場所が、二酸化炭素の放出場所

クエン酸回路でもこの質量保存の法則が行われています。二酸化炭素の放出です。

まず、二酸化炭素は化学式でかくとCO2です。C(炭素)を一つもっているのです。

次に、炭素数を対応させたものを、もう一度見てみてください。

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クエン酸からみていくと、全体的に炭素数が少しずつ減っていっている傾向に気が付いた方は鋭いです。

素数は回路を進むうちに最大数の6個から5個へと減り、5個から4個へと減っています。中間生成物の炭素量は減っても、質量保存の法則により、どこかへ消え去ることはできません。反応前と反応後で炭素の量が同じでなければいけないのです。

 

減っていった分の炭素はどこへ行ってしまったのでしょうか。そう、二酸化炭素として放出されたのです。

 

つまり、素数が減った時が、二酸化炭素の放出が起きるサインというわけです。

中間生成物に対応した炭素数の変化を覚えてしまえば、二酸化炭素が放出される反応の場所は自然と導き出せるのです。一つ一つ個別で覚えるよりもとても効率的ですよね。

 

2+4=6で、一回転する場所がわかる

次に、アセチルCoAからクエン酸への変化に注目してください。

アセチルCoAの炭素数が2個なのに対し、クエン酸は6個と増えています。

 

質量保存の法則にしたがうならば、反応前と反応後の炭素の数は同じでなければいけません。アセチルCoAにどこからか、足りない4個分の炭素を加えなくてはいけないのです。どうすればよいのでしょうか。

 

オキサロ酢酸です。クエン酸回路を巡り巡って生成されたオキサロ酢酸の炭素数は4個です。オキサロ酢酸(C4)とアセチルCoA(C2)が化合して、クエン酸(C6)ができるのです。4+2=6と言うわけです。

 

これにより、クエン酸回路が一回転する場所がわかります。

 

こうしてできたクエン酸はまた、二酸化炭素を放出しながら少しずつ炭素数を減らしていき、オキサロ酢酸になるとアセチルCoAと化合してクエン酸に戻るという流れでクエン酸回路は動き続けているのです。

 

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ステップ①の中間生成物の覚え方はこちらをどうぞ

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ステップ③のNADHやFADH2、ATPが生じる場所の覚え方はこちらをどうぞ

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