末娘が生まれて半年ほど経った、ある夜のことでした。
小学2年生の長男と、幼稚年長さんの次男は布団の中に入っています。
私は明かりを暗くした部屋の中で、寝付けず泣いている末娘を抱っこしていました。
立った状態で抱っこして、ユラユラしたり、背中をポンポンしたりして、末娘を眠りの世界に送り出そうと奮闘していました。
その時です。
もう寝ていると思っていた次男が、布団の中から小さな声で話しかけてきたのです。
「もしも、もしも、ダメだと思うけど…
ダメだったら全然しなくていいのだけれど…
僕も抱っこしてユラユラして欲しいなぁ…
立たなくていいから。座ったままでいいから。」
6歳も差があると、さすがにあかちゃん返りは無いなと思っていたけど
良いなぁって思っていたのだね。
何の根拠もないのですが、私は「この次男のお願いは叶えないといけないものだ」と感じました。
これは逃してはいけない気がする!と。
というわけで、私は行いましたよ。全力で。
18キロの次男を持ち上げ、
末娘とできるだけ同じテンションとスピードで、ユラユラさせます。
さすがに両手を使わないと、次男をしっかり支えられなかったので、
ポンポンは無理だったけれど。
やりとげました。私。
抱っこされている時の次男の嬉しそうな顔!
「いいよ!」と私が答えた後の驚いた顔!
末娘を脇に置いた私が広げた手に、駆け寄ってくる時のワクワクした顔!
次男のその顔が見れて、私も大満足でした。
次男が自分の気持ちを、言葉に出してくれてよかったです。
もう6歳だけれど、まだ6歳だものね。
さて、次男を抱っこした後に、もう一人の羨ましそうな顔を、布団の中から発見しました。長男です。
私は声をかけてみました。
「長男も抱っこしようか?」
「ほんと?やった!」
いそいそと抱っこされにくる22キロの小学生。
僕はイイよ。とかいうかと思っていたけれど、そうか、長男も羨ましかったか。
ふだんは気取っている長男のかわいらしい一面を知って、ニヤついてしまう私。
もちろん行いましたよ。こちらも全力で。
22キロを赤ちゃんのように持ち上げるのは私にはギリギリで、
ユラユラさせているのかフラフラさせているのかわからない状態でしたが。
ともかく長男を抱っこして持ち上げました。
抱っこされている間ずっと、ケラケラっと笑って、少し恥ずかしそうでもありつつ、ものすごく楽しそうな長男でした。
長男と次男の二人は、満足そうに布団に入って眠りにつきました。
ちなみに、その間の末娘はというと、安全な隅っこに置かれて、かべをカリカリしながら一人で遊んでくれていました。
そう、今回の件で一番頑張ったのは彼女なのでした。