日常を科学したい

理系ママが、日常生活のなかの理科雑学について、ちょっと詳しく書いています。

遊んで学ぼう!遺伝子発現ゲーム<謎解きゲーム風にタンパク質を合成しよう>

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DNAの塩基配列からタンパク質が合成される流れをゲーム
式にしてみました。

高校の生物基礎で学習する内容をもとに考えましたが、ゲームだけならば小学生でもできるシンプルさです。

もちろん、ゲーム内容と用語をリンクさせることで、高校生もしっかり学習できる内容です!

材料は紙やテープだけなので、高校の文化祭や大学の学園祭とかでどこかやってくれないかなぁ。。

 

 

 

設定

細胞でできたロボットが開発された!しかしどうやら調子が良くないようだ。

調べてみると、うまく機能していない細胞があることがわかった!

君たちはロボットの細胞の中に入って、遺伝子の発現を手伝ってあげよう!

 

ゲームの概要

  • ゲーム参加者は細胞の核エリアでDNA情報を読み取り、細胞質エリアで目的のタンパク質を合成する。
  • プレーヤーは個人でもチームでも参加可能。
  • 制限時間内にロボットの不具合を全て解決することを目指す

 

大ルール

一方通行ですすみます。戻ることはできません。次のエリアに移動したら、前のエリアに戻れません。

※この、細胞が持つ遺伝情報は、DNA→RNA→タンパク質の順に一方向に伝達されるという考えをセントラルドグマとよばれます。

 

ゲーム会場は4エリアに分けます。

核エリアと細胞質エリアの境目は、ついたて等でバリケードをしておく。バリケードの所々に隙間を開け、そこから出入りする。

バリケードは核膜を、隙間は核膜孔を表しており、DNA情報を転写したmRNAは核膜孔を通って細胞質へ移動していまます。

 

準備するもの

エリア1:核エリア(転写)

  • DNA 

梱包用テープなどの切れにくいひも。2本1組。

2本のうち1本に塩基配列を記載する。

2本はより合わせておく。

より合わせたDNAは、厚紙に巻き付けておく

※2本のDNAをより合わせるのは、DNAが2重らせん構造をしているため。

2本のDNA鎖を巻き付けた厚紙はヒストンとよばれタンパク質で、ヒストンに巻き付いたDNAの集合体が、染色体である。   

  • RNA

紙テープなどの記載できる用紙。

マス目をつけて、一マス1塩基を記載する。

RNAのマス目は2色で色分けをしておく。

※色のある部分は、タンパク質の遺伝情報となる部分(エキソン)を表し、色のない部分はタンパク質の情報とならない部分(イントロン)を表している。

 

エリア2:細胞質エリアA(リボソーム

リボソームと書かれた名札。リボソームの形を印刷したものなどを机に置く。

書いたり話し合ったりできる場を指定し、リボソームと名前つけるイメージ。

 

エリア3:細胞質エリアB(アミノ酸

  • 遺伝暗号表

こみあわないように、複数枚準備する。

翻訳エリアに固定して、持ち運べないようにしておく方がよい。

白紙のカード。たくさん準備する。

散らばりがちなので、カード入れに入れる等の管理が必要かも。

 

 ゴール地点

  • タンパク質表

アミノ酸の配列と、タンパク質名、働きが書いてある表

 

  • 正解、不正解が書かれた紙。

中が見えないようにした方がワクワクします。

 

ゲームの流れ

プレーヤーは筆記用具を持ってスタート!

ステップ1.核エリアでDNA情報をよみとろう!

ヒストンに巻き付いたDNAを解き、二重らせん構造の一方の鎖を鋳型にして、塩基配列をRNAテープに読み取ろう。

ルール

DNAの4つの塩基は対応するRNAの塩基は以下のとおりです。

DNAのアデニン(A)→RNAのウラシル(U)

DNAのチミン(T)→RNAのアデニン(A)

DNAのシトシン(C)→RNAのグアニン(G)

DNAのグアニン(G)→RNAのシトシン(C) 

※この過程を転写といいます。

遺伝子の発現は、DNAの必要な部分がほどけることからスタートするのです。

 

ステップ2  RNAテープの不要な部分を取り除こう!

RNAテープの色のついていない部分(イントロン)を取り除き、色のついた部分(エキソン)だけのRNAににしよう。

ルール

エキソンの順番は変えないように注意しよう。

※この過程をスプライシングといいます。

エキソンだけになったRNAが、メッセンジャーRNA(mRNA)です。

 

ステップ3 mRNAを持って、核膜孔を通り、細胞質のリボソームへ移動しよう!

ルール

一度出たら核エリアへはもどれないよ。

mRNAはリボソームから移動できないよ。

 

ステップ4 アミノ酸をつなげよう!

リボソームで mRNAの3つの塩基(コドン)を覚えて、アミノ酸エリアの遺伝暗号表を読み取ろう。

読み取ったアミノ酸の名前を、アミノ酸カードに書き込みリボソームエリアにもっていこう。

次の3塩基に対応するをアミノ酸アミノ酸エリアからもってきたら、アミノ酸同士をセロハンテープでつなげていこう。

終始コドンがでてくるまで繰り返し行い、アミノ酸の鎖(ポリペプチド)をつくろう。

※この過程を翻訳といいます。

アミノ酸同士をつなげるセロハンテープは、ペプチド結合を表しています。

 

ステップ5 タンパク質の働きを特定しよう!

ポリペプチドを持って、ゴールへ向かおう。

いろいろなアミノ酸配列とはたらきが書かれたタンパク質表のなかから、手持ちのポリペプチドアミノ酸配列と同じものを探そう。

見つけたらゴールにいるゲームマスターに報告しよう。

「私たちは、〇〇〇のはたらきをするタンパク質を合成できました!」

ゲームマスターは正解か不正解の紙を渡してくれるぞ。

 

正解の時

ゴール!ロボットは正常に動くことができました!君たちの働きに感謝する!

 

不正解の時

あれれ?ロボットはうまく動かないぞ。もう一度核エリアからやり直そう。

 

参考にさせて頂いたブログ

DNAのヒストンや染色体の構造は、こちらのブログ

の図がきれいでした。ありがとうございます。

一連の流れについては、こちらのブログ「受験のミカタ」サイトにすごくしっかりとまとめられています。

ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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