ヒトの染色体は46本です。生物の種によって染色体の数は決まっています。では、イヌやネコなどの身近な生き物の染色体の数は何本なのでしょうか。いろいろな生物の染色体数を集めてみました。
染色体について
ヒトのカラダは60兆個もの細胞でできています。全ての細胞の核の中にはまったく同じDNAがあります。DNAはヒストンとよばれるタンパク質にまきついた状態で小さくコンパクトにまとめられています。この小さくコンパクトになったもののことを染色体といいます。染色体は生物の種によって数がきまっています。
ヒトの染色体は46本!
多くの人は46本の染色体をもっています。
そのうち44本は同じ大きさで同じ形のものが対になっています。この対になる染色体を相同染色体といいます。ヒトの場合は22対の相同染色体をもっているというわけです。
のこりの2本は性染色体とよばれ、X染色体とY染色体の2種類があります。
2本ともX染色体をもっている個体は女性になり、X染色体とY染色体を1本ずつもつと男性になります。
一般に、相同染色体の対は「n」で表現されます。なので、ヒトは「2n=44+XX」(女性)や、「2n=44+XY」(男性)と表記されるのです。
おもしろいことに、染色体が多いほど複雑な構造や思考をもっているわけではありません。アメリカザリガニなどは、200本もの染色体をもっているといわれています。
身近な生き物の染色体数をみていくことにしましょう。
身近な生き物
イヌ:80本
【オス→2n=78+X Y 、メス→2n=78+XX】
イヌは 、80本もの染色体をもっています。性染色体はXとYでヒトの性染色体と同じです。
ネコ:38本
【オス→2n=36+X Y 、メス→2n=36+XX】
ネコはヒトよりも少ない数の染色体をもつ生物です。
ニワトリ:78本
【オス→2n=76+ZZ 、メス→2n=76+ZW】
ニワトリの染色体の数はヒトと比べてとても多いですね。
ニワトリは性染色体にも特徴があります。性染色体がZ染色体とW染色体な点です。ヒトやイヌ、ネコとは異なる種類の染色体をもっているのです。
ヒトなどではXYの2種類の性染色体を持つとオスになりますが、ニワトリの場合は2種類をもつ方はメスになるところも、私たちヒトとは異なる部分です。
チンパンジー:48本
【オス→2n=46+X Y 、メス→2n=46+XX】
ヒトと非常に近いと言われているチンパンジーですが、染色体の数は異なります。ヒトよりも多い48本の染色体をもっている生物です。
ゴリラ:48本
【オス→2n=46+X Y 、メス→2n=46+XX】
ゴリラの染色体の数は48本です。チンパンジーと同じ数の染色体です。同じ霊長類ですが、ゴリラとチンパンジーは全く異なる生物です。
同じ数の染色体をもっているからといって、同じ生物の種になるわけではないところも 、おもしろいですよね。
野菜
キャベツ:18本
【2n=18】
カボチャ:18本
【2n=18】
タマネギ:16本
【2n=16】
トウモロコシ:20本
【2n=20】
スイカ:22本
【2n=22】
最後に身近な植物として、野菜の染色体を数を集めてみました。雄株や雌株があるコケ類などは性染色体をもっていることが確認されていますが、おしべとめしべを両方つくれる植物には性染色体はみられないとされています。