気温・降水量とバイオームの関係を表した図を覚えるのって苦労しますよね。
そこで、おすすめの語呂合わせや、バイオームについてまとめました。
気温・降水量とバイオームの関係図
バイオームとは
地域の植生とそこに生息する動物などを含めた生物のまとまりをバイオーム(生物群系)といいます。年平均気温と年降水量で地球を11個のバイオームに分類することができます。
バイオームの学習をする際、必ず出てくるのが、気温・降水量とバイオームの関係を示したこの図です。
手書きの図ですみません。。
この図さえ覚えれば、世界中の地域の生物の様子が(理論上は)説明できてしまうのです!すごいですよね!
各バイオームのちょっと解説
バイオームを植生に注目すると、大きく3つのグループに分けられます。
荒原と草原と森林です。
〇荒原とは、
高山や南極や北極、噴火の跡地などにみられる植生です。草がまばらに点在しているだけで、ほとんど土壌はありません。
荒原の植生を持つバイオームは、ツンドラと砂漠です。
〇草原とは、
生えているのは主に草で、樹木はほとんど育成できないような地域の様子を示します。
降水量が少ないことが、草本だけのバイオームを形成している大きな原因です。
草しか生えていないので、土壌もあまり発達していません。
荒原の植生を持つバイオームは、ステップとサバンナです。
〇森林とは、
樹木が密に生えた植生です。降水量が多いことが森林成立の条件には必須です。
森林の内部を見てみると、いろいろな高さの樹木が連なる、階層的な構造をしています。厚い土壌ををもつことも、森林の特徴のひとつです。
森林の植生を持つバイオームは7つあり、熱帯雨林・亜熱帯多雨林・雨緑樹林・照葉樹林・硬葉樹林・夏緑樹林・針葉樹林です。
ざっくりとした図の見方
図は右上がりになっています。
つまり、温度が高ければ高いほど、植物がワッサワサに生え、クラス動物たちの種類も豊富にあります。
そして、降水量が多いほど、植物はワッサワサに生えるという法則が基本概念となります。
この基本の法則、あまり「へぇ~!!」となる人はいないのではないでしょうか。
「温度と降水量の値が高いほど、植物がよく生えるようになる」というのは、日本に暮らしていると生活の中で実感できることだと思います、
温度変化があり、豊富な雨量がある地域で暮らしている故の感覚ですよね。
一年中季節の変化が少ない国や地域の学生さんは、もしかすると、「へぇ~!!」となるのかもしれないですよね。
森林は「降水量が1000mm以上」が成立条件!
もうすこし詳しく図を見てみましょう。
降水量が森林と草原を分ける大きな要因と前述しましたが、具体的にはどのくらい雨が降れば森林を形成できるのでしょうか。
図の草原と森林の境目に注目してください。
その中でもステップとサバンナ、雨緑樹林と照葉樹林の境目の十字部分に注目してみましょう。
だいたい平均気温が20℃で、降水量が1000㎜です。
これが、森林と草原を分けるポイントとして押さえておきたい数値です!
20℃以下の時は、温度が下がれば蒸発する量も少なくなるので、1000㎜以下の降水量でも森林のバイオームが成立します。そのため、森林と草原の境界線は右上がりになります。
しかし、20℃以上になると、森林と草原の境界線はフラットになります。
つまり、いくら平均気温になっても1000㎜の降水量があれば森林が成立するというわけです。
語呂合わせで覚える!
暗記で難関は森林
さて、このバイオームを覚える際に、ごちゃごちゃになってしまいがちなのが森林のバイオームの順番だと思います。
荒原の砂漠とツンドラは気温で見分けられるので簡単です。砂漠は暑いイメージが普遍的にありますし、ツンドラは寒いイメージが強いですよね。
草原のステップとサバンナも気温で見分けられます。
サバンナと聞くとどのようなイメージをもちますか?
草原にキリンが歩き、まばらな木を食べている感じですよね。草原の中でも木が生えているってことは、植物のワッサワサ具合が大きいので、温度が高い方がサバンナだ!と迷ったときは考えて、見分ければよいのです。
一方で森林は混乱してしまいます。
そもそも荒原や草原に比べてバイオームが7こもありますし、
名前からイメージがつきにくい人も多いのではないでしょうか。
雨緑樹林と照葉樹林と夏緑樹林といった、森林のバイオームの名前を日常生活使うことは、まずありませんよね。
「私、サバンナでキリンを見たいんだー!」と言うことはあっても、
「私、硬葉樹林でオリーブ摘みをしてみたいの!」と言うことは無いかと思います。
バイオーム図の語呂合わせ!
そこで、森林部分に注目して、
語呂合わせ
熱唱家臣ツンド
で覚えてはいかがでしょうか!
イメージとしては、大声で熱唱している家臣。名前はツンドです。
図のバイオーム上部の気温が高い方から当てはめていってください。
熱→熱帯多雨林・亜熱帯多雨林
唱→照葉樹林
家→夏葉樹林
臣→針葉樹林
ツンド→ツンドラ
ツンドラは森林じゃないけど、どっちが温度が低いか分からなくならないように入っています。
雨緑樹林と硬葉樹林は入れられませんでした。上の段だけをピックアップしています。
他におすすめの覚え方がありましたら、教えて頂けたらうれしいです。
バイオーム図の活用方法!?
こんなに苦労して覚えても、何の役にも立たないよ!と覚える気力を失いがちな方へ、バイオーム図の日常生活での活用方法を考えました。
的を得た会話ができます
もしもあなたの友人が海外旅行に行った時の写真を見せてもらった時、
写真に写っている植物や動物をみるだけで、
「暑かったでしょう。」や、「雨はたくさんふった?」などの的を得た会話を行えます!
バーチャルで、海外気分を味わえます。
もしもあなたが海外旅行に行きたいとき、平均気温と降水量の二つの数値を知るだけで、脳内バーチャル海外旅行を味わえます。
写真いっぱいのガイドブックは学校や会社で開けませんが、平均気温と降水量の数値ならばは気兼ねなく見ることができます!
映画の撮影地を想像できます。
映画のシーンで特徴的な植物が生えていた時、そのシーンがどの地域で撮影されたかを想像できます。主演の役者さんが真夏の恰好で森林の中を散策しているシーンがあったとします。
森林がモミの木などの常緑針葉樹の森だった場合、撮影地のバイオームは針葉樹林だと推測できます。針葉樹林の年平均気温は高くて5℃!
真夏の恰好はさぞ寒かっただろうなぁと思いを馳せるとともに、役者さんプロ根性を感じ、好感度も高めることができることでしょう!
地球の多様性を感じられます。
私たちの住むかけがえのない地球。多様な環境で多様な植物と生物が暮らしていることを実感できます。
また、少し降水量が減るだけで、森林が草原になってしまったり、荒原になってしまったりと、絶妙なバランスの上に成り立っていることもこの図から感じ取れます。
ヒトも地球の一員として、地球を大切にしていきたいとの思いを高められることでしょう。