日常を科学したい

理系ママが、日常生活のなかの理科雑学について、ちょっと詳しく書いています。

あえて考えてみる。ニンゲンとニンジンの違い【植物細胞と動物細胞】

私たちニンゲンは真核細胞を持つ真核生物で、多細胞生物です。

野菜のニンジンは真核細胞を持つ真核生物で、多細胞生物です。

 

つまり、ニンゲンもニンジンも真核細胞を持つ多細胞生物なのです。

明らかに全く異なるものなのに、細胞的には同じ仲間!って思うと、なんだかわくわくしませんか?

とはいえ動物であるヒトと植物であるニンジンは明らかに異なる種類ですよね。

感覚的にも視覚的にも機能的にも、ちがうものだ!と万人が思うはずです。

では、何がちがうのでしょうか?

それは、からだを構成している細胞の種類が、植物細胞と動物細胞で異なるためです。

植物は植物細胞の集合体であり、動物は動物細胞の集合体なのです。

そんな、すごく当たり前のことをあえてコマコマと考えてみました。

 

生物の共通性の一つは、

からだは細胞の集合体であることです。

動物でも、植物でも、カビやキノコでも全ての生物の基本単位は細胞であるということです。

 

1つの細胞を1つのレゴブロックとしてイメージすると

どの生き物も、レゴブロックでつくられたものといえるわけです。

たくさんのレゴパーツでつくられた構造物は多細胞生物というわけです。

たまに1つのレゴパーツでも完成するものもありますが、単細胞生物をイメージできます。

 

よく、多細胞生物の細胞は役割分担をしており、単細胞生物の細胞は全てを賄っているといわれますが、これもレゴブロックに当てはめて考えてみましょう。

すると確かに、

たくさんのパーツで作られた方の一つ一つのブロックは、ただの赤色だったり、きらきらの丸形だったりとそれだけでは意味を成しませんが、

同じ色形のブロックと組み合わせることで、かわいいリボンの形になったり、機関車の煙になったりと役割をはたしています。大型で複雑で高度な機能をもつこともできます。

一方、1つのレゴパーツで完成するものは、レゴパーツのなかに顔が描かれていたりとその一つで役割を果たすことができています。小型なものが多い単細胞生物の特徴ともリンクしますね。

 

更に、組み合わせ式のブロックは、レゴブロック以外にも、いろいろな種類を見かけることができるかと思います。

100円均一ショップにも売られるようになった時は感動したものです。

しかし別のブロックを買うと、同じブロック同士では組み立てられるけれど、ほかの種類のブロックにはくっつけない事がほとんどです。大きさが異なったり、凹凸の形が違ったり。

 

細胞も同じといえます。

細胞膜で囲まれて、中にDNAが入っているものは全て細胞と総称されます。

けれども、DNAが更に膜で包まれていたり、細胞膜の外側に細胞壁をつくっていたり、鞭毛をはやしてみたりと様々な特徴をもっているわけです。

その中で、DNAが核膜で包まれている細胞を真核細胞といい、

真核細胞の中でも、特徴によって動物細胞と植物細胞に分類できるというわけです。

 

動物細胞と植物細胞の違いは何なのでしょうか。

まず、植物細胞は動物細胞には無い、細胞小器官をもっています。

光学顕微鏡でわかるのは、葉緑体細胞壁と大きな液胞です。

 葉緑体:光エネルギーを吸収して光合成を行う

 細胞壁:細胞を保護し、植物を支えている

 液胞:さまざまなものを貯蔵している

次に、植物細胞と動物細胞の違いは、細胞の大きさです。

動物細胞に比べて植物細胞は、全体的にとても大きいのが特徴です。

これは、動き回り食物を探し、生きていかなくてはいけない動物と、

光が当たる場所であれば動かなくてもエネルギーを得られる植物の違いです。

冒頭の組み合わせできるブロックに戻って例えるならば、

動物はナノブロックでできており、植物はデュプロブロックのような大型なブロックでできたものといったふうでしょうか。

可動式のものにしたい場合、ナノブロックで作った方が複雑な動きができそうなのもイメージできますね。

そんなことを、子供とレゴブロックで遊びながら考えた記録でした。

 

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