ヒトの尾てい骨はしっぽの跡であることは多くの方が知っていることと思います。
動物は尻尾を動かるのだから、ヒトも動かせるのでは?
そんな目標をかかげ、尾骨について、調べてみました。
尾てい骨はどこにある?
尾てい骨とは俗称で、医学的には尾骨と呼ばれます。
ヒトの祖先の生物には存在していたしっぽが退化して、退化して、退化して、皮膚の中にも入りこんでしまった器官と言われています。
場所は背骨の先端。
背骨を頭のほうからズズズーっとたどっていくと、お尻の始まり付近でポコッと飛び出ている骨が尾骨です。
お尻の方から上に上がって、一番最初に手に当たる飛び出た骨を見つけるほうが探しやすいかもしれません。
触ってみても良くわからない場合は、ヒトにしっぽが生えているイメージをして、
「ここっ!」
っと指し示すと大概あってます(笑)
ヒトの尾骨はうごかせる?!
そんな我々ヒトの尾骨ですが、生まれた時は複数に分かれていることをご存じの方はあまりいないのではないでしょうか。
大人になると尾骨は1〜4個の骨でできています。
仙骨とくっついているヒトもいます。
しかし、産まれた時は尾骨の場所には5~6個の骨があり、骨の名前を尾椎とよぶそうです。
尾椎がくっついたものが尾骨というわけなのですね。
成長するにつれて、尾椎が癒着していき、尾骨となっていくのです。
癒着するのは25歳くらいまでにかけてとの説があります。
どうやら大人になると、ネコのようにゆらりと尾骨を動かすのはむりそうです。
ならば、癒着していない尾骨では動かせるのではないでしょうか!
そのようなことを、思いついてしまいました。
思いついてしまったからには、確認してみたくなります。
幸いにも我が家には小学校低学年のこどもがいるのです!
早速私はこどもに、様々な姿勢をとってもらい尾骨の様子を観察してみました。
前かがみの時の尾骨、四つん這いの時の尾骨、体をひねった時の尾骨、
それぞれの姿勢の時の尾骨を形を確認してみました。
残念ながら大きな変化を私は観察することができませんでした。
やはり小さい骨ですから動かないのでしょうか。
それとも私が見逃している部分があって、
動いていても気が付かないだけなのでしょうか。
癒着が済んだ場合の尾骨を様子と比較すべく、
夫のも観察しようとしたのですが、あっさりと断られてしまいました。
40代男性の尾骨の様子も観察したかった。。
残念。消化不良感が少し残る結果です。
しっぽの役割は?
そもそも、尻尾は何のためにあるのでしょうか。
尻尾の働きは、動物によって異なります。
例えば犬の尻尾。
嬉しい時にはブンブン振られ、怖い時にはシュッと足の間に入ります。
犬の尻尾は、感情を表す重要な器官なのです。
例えばクモザルの尻尾。
第5の腕と呼ばれるほど器用に物をつかみます。
移動する際にも、両手と尻尾を組み合わせて木から木へ自由自在に飛び回ります。
ニュルンとした尻尾の動きがかわいいです。
クモザルにとって尻尾とは掴むための器官なのです。
他にも、カバの尻尾は自分の排泄物をまき散らすためのものですし、
牛の尻尾は虫を払う働きをしています。
牛の尻尾の形が先端に毛がモフモフしたハタキのような姿なのは、
この働きのためだともいわれているようです。
ヒトの尾骨もはたらいている?
では、ヒトの先祖生物の尻尾はどのようなはたらきをしていたのでしょうか。
ヒトの祖先生物は、キツネザルに似た姿だったとされています。
キツネザルの尻尾は物を掴んだりはしませんが、
不安定な樹上などでバランスを取るのに重要な働きをしています。
また、仲間とのコミュニケーションツールとしても使われているようです。
それならば、
陸上を生活の場とし、
言葉をコミュニケーションツールとしたヒトにとっては、
尻尾は不要となったのも納得ですよね。
もう何の役割も果たしていないイメージがある尾てい骨ですが、
実は今でも、体のバランスを取るのに使われているという説もあります。
もし今、椅子に座っているならば、
背もたれにグデンと寄り掛かった体勢になってみてください。
この時、尾骨は体を支えてくれているのだと主張される方もいます。
しかしながら、もし尾骨は今でも働きを持っていたとしても、その影響範囲はごくわずかであるといえるでしょう。
なぜなら、直腸などの手術の際、やむ負えず尾骨を切断することもあるそうですが、
尾骨切断による術後の影響は今のとこと見られないらしいからです。
尾骨も骨折する!
もっと身近な事例としては、
日常生活の中で尾骨を骨折してしまう事があるのはご存知でしょうか。
スノーボードやスケートなどで尻もちをついたり、転んでドドドと階段からお尻で滑り落ちてしまった時などに骨折してしまうことがあるようです。
尾骨を骨折するとすごくすごく痛いそうです。
まぁ骨を折っているのですからね。
骨折ではなく先端の尾椎が丸まって内側に入り込んでしまうこともあるそうです。
その場合も複数の尾骨をつなぐ筋が伸びてしまうので激痛の様子です。
しかも小さい骨なので、
ギプスをするわけにもいかず、安静にすることだけが尾骨骨折時の対処法とのことです。ひぃぃ。
みなさまくれぐれも尻もちで強打しないようにお気をつけください‼