日常を科学したい

理系ママが、日常生活のなかの理科雑学について、ちょっと詳しく書いています。

腎臓の構造は、「グー」と「パー」で表せます。【手遊び歌でおぼえる生物】

腎臓の構造を、きっと誰もが一度は遊んだことがある手遊び歌のメロディーにのせて覚えてしまいましょう。歌った後は、腎臓のはたらき「ろ過」と「再吸収」の学習にも使えます。

 

 

手遊び歌のリズムにのせた腎臓の構造を覚えましょう。「♪グーチョキパーで、グーチョキパーで、なにつくろうー。なにつくろうー。右手が…♪」

 

1,腎小体

手遊び歌のリズムに乗せて、右手をグー、左手をパーにしてください。右手と左手が逆でもかまいません。グーとパーがつくれれば大丈夫です。

グーをアンパンマンがパンチするように前に突き出してください。パーは手のひらを上にして、グーを優しく包み込んでください。

 

できあがりです!

 

グーが「糸球体」でパーが「ボーマンのう」です。糸球体とボーマンのうをまとめて「腎小体」といいます。

 

f:id:komagomepipette:20201102005540p:plain
 

糸球体とボーマンのうは、腎臓のはたらきの中でろ過を行っている部分です。構造は、毛細血管でできた糸玉上の糸球体を、ボーマンのうが包み込む形をしています。

 

元の歌ではグーやパーと形状を言っている部分に「糸球体」「ボーマンのう」といった名前を入れて歌うと、さらに覚えやすくなりおすすめです。

 

「♪グーチョキパーで、グーチョキパーで、なにつくろうー。なにつくろうー。右手が糸球体で、左手がボーマンのうで、腎小体―。腎小体―♪」

 

2,ネフロン

じつは今回の歌には2番もあります。

腎臓の構成単位である「ネフロン」も表現できるのです。

アンパンマンのパンチのように突き出したグー(糸球体)の腕と、パー(ボーマンのう)の腕をくっつけて、からだに引き寄せてください。少し窮屈な体勢になるかと思います。くれぐれも無理はなさらないでくださいね。

 

腕が注目ポイントです。

 

グー(糸球体)から繋がっている腕は、「毛細血管」を表しています。パー(ボーマンのう)から繋がっている管は、「細尿管」です。

腎小体(糸球体とボーマンのう)と細尿管を合わせたものが、腎臓の基本単位であり、「ネフロン」とよばれます。毛細血管はネフロンに含まないのが一般的です。

 

f:id:komagomepipette:20201102005656p:plain

ネフロンが100万個あつまって、一つの腎臓がつくられています。

 

糸球体からボーマンのうに水分や老廃物がろ過されます。ろ過されたものは、ボーマンのうから細尿管へ流れていきます。この時、老廃物だけでなく、からだ必要なグルコースなども、どうしてもろ過されてしまいます。糸球体が作るフィルターを通り抜けてしまうのです。そこで腎臓は、細尿管を流れている間に、必要なものを毛細血管に再吸収しています。

再吸収されるためには、細尿管と血管は隣り合っていなければいけないので、少し無理な体勢になったというわけなのでした。

 

腎小体を作った歌の最後にネフロンも付け加えてみましょう。

 

「♪グーチョキパーで、グーチョキパーで、なにつくろうー。なにつくろうー。

右手が 糸球体 で、左手が ボーマン のうで、腎小体―。腎小体―♪

(からだに引き寄せて、腕をアピールしながら)

右腕が 毛細血管、左腕が 細尿管で、ネーフーロン。ネーフーロン♪」

 

腎臓のはたらき「ろ過」と「再吸収」についても見ていきましょう!

ろ過

糸球体はフィルターのような構造をしています。血液の大きな成分は通れませんが、小さな成分は通れます。糸球体のフィルターを通れる血液中の成分は、グルコース、水、無機塩類、老廃物などです。タンパク質や赤血球などは通れません。糸球体のフィルターを通り、ボーマンのうにやって来た液体は「原尿」と呼ばれます。

原尿は細尿管へと流れていきます。

f:id:komagomepipette:20201102010115p:plain

 

再吸収

細尿管では、からだに必要な物質を原尿からとりだし、毛細血管に戻すはたらきをしています。再吸収といいます。

完全に再吸収される物質は、グルコースです。原尿中のグルコースは100%が再吸収されます。グルコースはカラダにとって、大事な生きるためのエネルギー源ですから、排出したらもったいないですものね。

水や無機塩類は必要な分だけ再吸収されます。たくさん汗をかいた時は、多くの水が再吸収され、たくさん水分を飲んでタプタプになった時は、少ない水が再吸収されるわけです。

再吸収されなかった液体は「尿」となり、体外へ排出されます。

f:id:komagomepipette:20201102010449p:plain
 

まとめ

今回は、なつかしい手遊び歌にのせて、腎臓の構造をカラダで表現してみました。構造がしっかりとイメージできると、腎臓のはたらき「ろ過」と「再吸収」の理解もしやすくなるのではないでしょうか。

体内の体液の量と成分の調整を一手に担っているのが腎臓です。我々の健康な生活は、わずか150gほどしかないこの腎臓のおかげなのだなぁと思うと、生物のからだの緻密さには本当に感動します。

 

関連文書◇腎臓について◇

ただ語りたい。栄養素が、からだの中に入る場所は、口ではなく小腸なのです。からだの外に出る場所は、おしりではなく腎臓なのです。

プライバシーポリシー お問い合わせ